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気密材の選択1
非常に多くのジャンルで使用されている気密材はパッキンと言うジャンルにも当てはめられます。これらは決まった定義ではないので、同義語と言う意識で受け捉えられると良いと思います。
基本的に元となるベースは、シート状のものか、ひも状のものとなります。気密材において、要求される水準は多岐にわたります。居住空間においての隙間風防止程度の気密から、外気の混入を遮る気密、また更に圧力が加わる場合の漏れや流入を遮る場合など、使用条件が大きく異なります。
適切な選択を行うことで、気密材として役割を果たすことが可能となるのです。
ここで具体的なことをあげても、状況が変わってしまうと使えない場合がありますので、選択の注意点と言う観点で列記いたします。
最も重要な点は、状況に合わせてのパッキン性能を発揮することができるか、性能を維持することができるかの2点です。安全面を重視して考えるのであれば、先ず、材料から選ぶことだ先決だと思います。
耐候性で考えるのであれば、ゴム>塩化ビニル(エラストマーも含む)>ポリエチレンの順でゴムは非常に耐候性が良いと思います。特に耐候性重視で考えるのであれば、EPDM(合成ゴム)で作られたものが良いでしょう。自動車、建材のパッキンとしても使用されており、信頼性が高いと言えるでしょう。しかしながら原料費も同様の順で高価です。また、意匠性も低いのが特徴です。意匠性を考えるのであれば、塩化ビニル(エラストマーも含む)を選ぶのが良いと思いますが、紐状(押出製品)であれば生産ロットが大きい事、エラストマーであれば難燃性を付加させると黒くなってしまうことがあります(塩化ビニルは難燃性)。
また、耐薬品性を検討することも重要です。EPDMは油に弱く、可燃性(難燃タイプは一部あり)である事から、多種、他素材で検討もしなくてはいけないでしょう。
パッキン性能においては、どの様な点を基準で考えるかで異なりますが、少しの圧縮でパッキン性能が高いのは、全種の中ではノルシールとなります(2021年現在、供給不足です)。
わずかな圧縮において、大きなパフォーマンスを生み出しています。しかし、常時開閉が行われる部位での使用となると、ヘタリや異物などが挟まり、本来の性能が発揮できない可能性があります。耐候性、耐薬品性に優れていても使用条件によって向かないケースもあります。この様な場合は、中空のゴムスポンジ系が望ましいと思われます。多少気密性に関してはパフォーマンスが低下するかもしれませんが、、、
この様に、必要とされる条件を検討しながら安全に使用頂くためにノウハウなども蓄積しています。お気軽にお問い合わせください。次回は、モヘアを特集する予定です。
写真は、EPDMスポンジ(気密水密材)です。
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