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ゴムパッキン
押出ゴムスポンジ、押出ゴム | 共ショウNET (kyosho.nagoya)
防音対策において、費用を抑えつつ効果的に行う方法の一つとして、気密性を高めることが非常に有効です。特に、隙間から音が漏れてしまう場合、この対策は効果的であり、コストパフォーマンスも優れています。気密性が低いと、いくら防音材を使用しても、音漏れを完全に防ぐことが難しいため、まず隙間をしっかりと埋めることが重要です。
その際、効果的な材料として、押出ゴムスポンジ(発泡したゴムを紐状に加工したもの)や、押出ゴム(非発泡のゴムを紐状にしたもの)が挙げられます。これらの材料は、隙間を埋めるのに非常に適しており、簡単に取り付けられる点でも優れています。他にも防音対策の手段はいくつかありますが、気密性を高めることは基本的かつ効果的なステップです。
気密性を高める材料としての押出ゴムスポンジと押出ゴムの特徴
押出ゴムスポンジや押出ゴムを使用する理由はいくつかありますが、以下の点が特に優れています。
水分が材料(パッキン)に侵入しない
スキン層の無い樹脂の発泡材料を使用すると、材料が水分を吸収しやすく、特に湿気の多い環境で材料の物性や応力が変化し、最悪の場合は劣化や分解、すき間の発生に繋がります。しかし、押出ゴムスポンジはスキン層があり、押出ゴム(ソリッド)は水分を吸収しにくいため、こうした問題を防ぐことができ、長期間にわたって安定した性能を発揮します。
ヘタリが少ない
樹脂のスポンジタイプや連続気泡構造の合成ゴムスポンジは、繰り返し圧縮すると復元力が低下してしまい、その結果パッキンとしての性能も低下します。しかし、押出ゴムスポンジや押出ゴムは復元力が非常に高く、繰り返し圧縮されても劣化しにくい特徴を持っています。このため、気密性を長期間にわたって維持でき、防音効果が持続します。
立体的な形状に加工可能
押出ゴムスポンジや押出ゴムは、特殊な口金を用いて紐状や中空の立体的な形状に成形することができます。これにより、特定の形状や隙間に対して柔軟に対応できるだけでなく、圧縮されるストロークも深くなり、パッキン性能が向上します。多くの他の材料はこのような加工が難しく、平面的な形状でしか使用できないため、ゴム素材の利点は非常に大きいです。
注意点
優れた性能を持つ押出ゴムスポンジや押出ゴムですが、いくつかの注意点もあります。
可塑剤のブリードアウト
ゴム製品には、柔軟性を保つために可塑剤が含まれています。時間が経つと、この可塑剤がゴムの表面に染み出してくる現象(ブリードアウト)が発生することがあります。この現象自体は人体に有害ではない場合がほとんどですが、接着面に影響を与え、化学変化を引き起こす可能性があります。例えば、接着されている面の変色や、両面テープの粘着力の低下などが考えられます。設置する際には、この点に留意する必要があります。
ゴム臭が発生する
ゴム素材特有の臭いが発生することがあります。この臭いは時間とともに弱まりますが、特に密閉された空間で使用する際は、最初のうちは気になるかもしれません。臭いに敏感な場合、換気を十分に行うことが推奨されます。
イオウの含有
押出ゴムには、製造過程でイオウが含まれていることが大半です。通常の使用では問題ありませんが、特に密閉された小さな空間で、電子部品の近くで使用する場合には注意が必要です。イオウが電子部品に悪影響を及ぼす可能性があるためです。ただし、イオウは自然界にも存在する成分であり、ゴム自体が大きな原因となるケースは少ないとされています。
結論
押出ゴムスポンジや押出ゴムは、防音対策として非常に効果的であり、特に気密性を高めるためには最適な材料です。これらの材料を適切に使用することで、隙間からの音漏れを防ぎ、防音効果を大幅に向上させることができます。欠点もいくつかありますが、防音においてはほとんど影響がないため、優れた選択肢と言えるでしょう。
さらに詳しい情報や製品の詳細については、関連するウェブサイトや専門のコンテンツを参照することで、より具体的な製品選びや施工方法を学ぶことができます。
写真は、実際に防音対策において使用されている製品です。
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