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防音パネルの落とし穴
防音防振ネット!によくご相談を頂くのは、設備の騒音対策です。特にコンプレッサーなどの機械の音が作業環境において影響を及ばすために、音を低減させたいという相談が多くあります。
基本的に防音対策は、質量の重い板で囲ってしまえば音は外に出ません。しかし、完全に囲ってしまうことが難しく質量の重い板で囲ってしまうと、メガホンのように音が逆に増幅してしまう懸念があります。その理由は、質量の重い壁は音を通さない代わりに跳ね返してしまうのです。
では、防音防振ネット!で提唱している吸音材を使うとしましょう。音源から出る音の反射を抑え、反響音をなくし、周りを質量の大きい壁(遮音材)で覆い、密閉度を高める基本的には、十分な効果が出ます。
しかし、この方法には盲点があります。吸音材のほとんどは樹脂などの発泡体は多く、空気の壁を作ることになります。これが、設備に悪影響を及ぼす原因となる場合があります。
空気の壁は、断熱要素が大きいために、吸音材と遮音材が断熱材となってしまい、内部の温度が上がりやすい状態になります。断熱材で設備を囲うと同じ意味合いになるのです。すると、熱を発生する設備は当然オーバーヒートを起こしやすくなります。これが落とし穴になるのです。当然ながら、防音パネルより設備が動かなくなることの方が問題が大きくなります。それでは、防音パネルは意味を成しません。
では、どのように考えたらよいのかというと、空気の流れができるように考えるのです。つまり、暖かい空気程比重は軽く上に上がります。冷たい空気を下から流入させ、上に逃げるように作ることが重要です。抵抗なく空気が流れるような下からの入り口と、自然に暖かい空気が出やすいように排気用の出口を作ってあげれば、空気は循環してオーバーヒートは起こしにくくなります。
もう一つ付け加えるとしたら、音は基本的に直進するので、音源から外部が見えないように工夫をすることも重要でしょう。イラストを見て参考にしてください。
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