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音はどのくらい回折するのか?(曲がるのか?)
音は目に見えることはありません。光と音は同じ波動ですが、日常の感覚では光の方が非常に直進性が強く、音の方がよく曲がるといった解釈で良いと思います。当然、光も障害物に当たると回折します。音は反射と回折が顕著に現れるために、私は「音は曲がる」と言う表に現にしています。音は直進しますが、障害物が当たると回折します。音源から回折していますので、いっその事曲がるといった解釈の方が分かりやすいからです。
さて、どのくらい曲がるのか?防音防振ネット!は恥ずかしながら無響室を持っていませんので、静かな会議室で実験を繰り返しています。
スピーカーから発信される音がどのくらい真横に影響し、どのくらい後ろに回るのか?
吸音率が100%の野原で、相手に背を向け叫んでも、背中の相手に声は聞こえます。これは音源から音は回折していると解釈して良いと思います。
以下のようなデータがあります。音源の正面、真横、真後ろに同じ距離で測定しました。
測定位置 |
正面 |
真横(90度) |
真後ろ(180度) |
暗騒音 |
騒音値 |
62.3㏈ |
55.7㏈ |
55.2㏈ |
43㏈ |
暗騒音は43㏈ですので、スピーカーから出る音は横にも曲がりますし、後ろにも同じ程度曲がるようです。測定は弊社の会議室ですので、測定したマイクと設置条件にも十分影響はするでしょうが、日常における室内騒音の回折を考えると、信頼しても良いデータではないでしょうか。音の反射(反響)もあると思いますが、後ろにもある程度は曲がるという概念を持つことが良いでしょう。
特に気になったのが、真横での騒音値と真後ろの騒音値に、あまり大差が無いことです。室内の壁に反射しているのかもしれませんが、取りようによっては、室内では横にも後ろにも同じくらいの騒音が発生することが判明しました。
また、体感的な表現になりますが、正面の半分程度の音が横と後ろに回るのです。防音する上では非常に重要な対策となり、防音の効果にも十分に現れるでしょう。現在我々は、技術協力をさせて頂いている製品開発において、この回折現象を踏まえたものを検討しています。ぜひご期待して頂きます様、よろしくお願い致します。発表時にはこのブログでもお伝えしたいと思っています。
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