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難燃製品の色はなぜ黒やグレーが多いのか?

吸音材、遮音材など、化学製品の難燃グレードに黒色かグレーが多いことはお気づきでしょうか?樹脂、ゴムは一般的に原料自体は殆ど白い物ばかりです。ゴムで

黒色が多い理由

吸音材や遮音材など、難燃グレードの化学製品は黒やグレーが多いことにお気づきでしょうか。実は、ゴムや樹脂といった原料は本来ほとんどが白色です。例えばゴムの場合、耐候性を高めるためにカーボンを混ぜることで黒くなります。自動車のタイヤが黒いのもこの理由です。

一方で、プラスチックはカーボンを混ぜることはほとんどなく、顔料を用いて任意の色に着色して使用されます。しかし、難燃性を付与するために添加される難燃材の多くは黒色をしており、その影響で製品自体が黒やグレーに見えることが多いのです。例えば、白色の吸音材「オプセル」に対し、難燃グレードの「スーパーオプセル」は黒色をしています。これは、発泡によって若干色は薄まりますが、難燃材が黒いために全体が黒く染まってしまうからです。

難燃性の基準と決め方

難燃や不燃の基準は建築分野と資材分野で異なり、判定方法も複数存在します。そのため一概に統一した基準で語ることはできませんが、いずれも「燃えにくさ」を数値や試験によって評価しています。

代表的な指標として「有酸素指数(LOI:Limiting Oxygen Index)」があります。空気中の酸素は約21%含まれていますが、有酸素指数が21以上の材料は燃焼に必要な酸素濃度が大気より高いため、自然状態では燃えにくいとされています。UL-94規格では22以下を「燃焼する」と判断するため、22以上の材料は難燃性を持つと考えられます。

難燃性を持つプラスチック

代表的に難燃性が高い汎用プラスチックには以下のものがあります。

  • ポリ塩化ビニル(PVC)

  • ポリカーボネート(PC)

これらは火が直接触れても燃焼が拡大しにくい特徴を持っています。ただし、近くで火種が燃え続けると引火の可能性はあるため、取り扱いには注意が必要です。

逆に、以下のプラスチックは有酸素指数が18~19と低く、可燃性があります。

  • ポリエチレン(PE)

  • ポリプロピレン(PP)

  • ポリスチレン(PS)

ノンハロゲンの流れ

難燃性を高める方法の一つに「ハロゲン系難燃材」を添加する手法があります。しかし、燃焼時に有害物質を発生させる懸念があるため、環境面から敬遠される傾向にあります。近年では「ノンハロゲン仕様」として、環境に配慮した難燃製品が数多く開発されています。


写真にあるのは代表的な難燃材の一つ、メラミンフォームです。白色でありながら難燃性を備えた素材で、環境性能にも優れた例として注目されています。

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