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部屋の防音対策
まずは“窓・隙間・質量”の3本柱から
自宅やオフィスで「壁はしっかりしているのに外の音が気になる」というご相談をよくいただきます。すべてのケースに万能な答えはありませんが、まず押さえたいのは“どこから音が入ってくるか”を見極め、効果の高い順に対策することです。実務的には、①窓などの開口部の気密化、②二重化による経路の長尺化、③壁・床・天井・扉の“質量アップ+制振”の3本柱が基本になります。
1)窓・開口部の対策
侵入音の主経路になりやすいのが窓です。引違い窓は構造上、召し合わせ部やレール周りに微小な隙間が生じやすく、ここを詰めるだけでも体感が変わります。サッシの気密等級を上げる、パッキン・クレセントの調整を行う、といった「気密の底上げ」が第一歩。次に効くのが二重化で、既存窓の室内側に内窓を設けて空気層を確保すると、音の経路が長くなり透過が減ります(空気層はおおむね70〜100mm程度が目安)。なおペアガラスは主に断熱用途で、防音効果は条件依存です。遮音目的なら“気密+二重化”の優先度が高いとお考えください。賃貸など工事が難しい場合は、着脱可能な窓用防音パネルの活用も選択肢です(例:ピアリビング様の窓用防音パネル)。
2)壁・床・天井の強化
壁からの侵入感が強い場合は、石膏ボードの二重張りなどで面密度を上げると、音の透過損失(TL)が向上します。さらに**制振材(例:グリーングルー)**を挟むと、面のビビリや共鳴を抑えて効果が安定します。床・天井も同様で、二重化+遮音シートや制振材の併用が“軽量衝撃音/空気音”双方の抑制に寄与します。
3)扉と“すき間”の管理
扉は質量が重いほど空気音を通しにくくなります。軽量ドアの場合は、より重い扉への交換や、オートドアボトム・気密パッキンの追加で足元・框周りの漏れを減らしましょう。配管貫通部やケーブル取り出しなど点状のすき間も要注意。シーリングやブッシングで“連続気密”を確保すると、面全体の性能を無駄にしません。
注意点とデメリット
開口の強化は換気・採光・結露とのトレードオフが避けられません。窓用防音パネルは有効ですが、採光低下が発生します。施工前に「必要な換気量」「消防設備との干渉」「結露対策」を確認しましょう。また、面の反射率が上がると室内の反響(残響)が増えることがあります。必要に応じてカーテンや壁面の吸音(ファブリック/多孔質材)を併用するとバランスがよくなります。
まとめ
最短で体感を変える順序は、①隙間をなくす(気密)→②窓を二重化する→③面の質量と制振を足す。この手順で検討すると、費用対効果が見えやすく、やり直しも少なくなります。具体的な寸法やお部屋の条件が分かれば、当サイトで最適な材料や組み合わせをご提案できます。お気軽にご相談ください。

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