防音防振の豆知識

遮音シートの危険性

遮音シートを使えば防音ができるという認識を持っている方がいるかもしれません。

それは危険な考えです。遮音シートの性能は音を通さないという特性ありますが、その反面には音を反射する特性も持っています。部屋の中で大きな音を出すとします。その音は、遮音シートに当たり反射し、反響音となります。反響すると言うことは空間内で音のエネルギーが増幅されているので、遮音シートの貼った壁面から通り抜けてしまう恐れがあります。例えば、お風呂で歌を歌ったとします。その音は結構他の部屋にも聞こえたり、屋外に出てしまうことがあるのと同じです。

これは、お風呂の中で出た声が反響して増幅され、通常では出ない音量なのに、遮音シートで増幅された声が遮音シートの性能を超えるエネルギーとなって、透過して騒音となる事があるからです。一般の遮音シートは厚み別(面密度別)に表示されていますので、使用状況を考える必要があるからです。

全面を遮音シートで囲むという防音対策は、反響音が増幅して遮音シートを貼った壁面からも通りぬけてしまう恐れがあります。

しかし、全面遮音シートの防音対策の怖さはそれだけではありません。結局のところ遮音シートは完全密閉をしないと、漏れ出た音がかえって大きくなるという現象が多々あります。これは、以前の記事のメガホンの応用にもあるとおり、反響した音の逃げ道が少しでもあると、そこに音が集中して、結局より大きな音となってしまうからです。

論より証拠というわけではございませんが、先日の実験ででた面白いデータを写真にとることができました。このわずかな隙間があるかないかで、大きく騒音値は変わってきます。遮音材・吸音材だけではなく、気密材も防音には重要な要素となっていることが分かります。

音が外部に出ないように遮音シートを設置するには、基本的に面密度の高い製品を使用すれば、透過することを抑えることができます。イラストを見て頂くとよく分かりますが、コンクリートで覆われた建屋と、木造の建屋で同じ条件で内部から音を出した場合、すぐにどちらが音を防ぐことができるか分かると思います。よって、環境、施工条件によて遮音シートを選択することが望ましいと思います。

ただし、音響透過損失がないほど、屋内の反響音は大きくなる恐れが充分にあることを忘れないでください。

 

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