騒音源と人が共に屋外での場合の対処法を記載します。
本来、音は直線的に進みますが、障害物での回折や拡散的な進み方もありますので、分かりやすくするために、曲線を使用して描いております。
周囲に障害物や建物が何もない場合
騒音源から対象となる人へ、音は正面が最も強く進みます。直線上で音を遮り、陰に隠れるイメージで騒音壁を設置します。位置は騒音源と人の中間地点です。
光なら強く当たることはありませんが、音はイラストのように回り込んで届きますので、遮音壁はあまり効果はありません。
周りが何もないことが条件であるのならば、
対処する方法は2つです。
ひとつ目に、遮音壁の面積を大きくする。
当然ながら、遮る面積を増やすことで、人に届く騒音の量を減らします。
ふたつ目に、遮音壁の位置を騒音源に隣接する、または人に隣接する。
騒音源に隣接することで、発生音の遮音(反射)を大きくする。注意するのは、遮音壁の性能が高いことが条件になります。音源に近いということは、音圧が高い(音量が大きい)為に、遮音壁を透過しないことに注意しなければなりません。
人の近くに遮音壁を設置することは、音を受ける人へのガード(遮音)を広げる方法です。回折する音の影響は前者よりありますが、音源からの距離があるために同じレベルで遮ることが予測できます。
騒音源に建物が隣接する場合
上記は、周囲に何もない状況での防音(遮音)対策を解説しました。
今回は、騒音源に建物が隣接する状況での対策を解説します。
建物が何もなければ、以下のように騒音は影響を及ぼします。
しかし、建物がある事によって以下のような影響があります。人の反対側に出た音も建物で反射し、人に影響を及ぼしてしまいます。壁がある事によって、騒音は増幅してしまうのです。
前回の記事のように、騒音源のそばに遮音壁を置いてみます。
オーバー気味に表現していますが、遮音壁と建物の間で音が反響し、壁を超えた時点で回折した音が届いてしまいます。折角の遮音壁も友好的な効果を得ることはできません。
人のそばに遮音壁を建てることにします。
大きく防ぐ領域を増やすことができ、効果が出ます。同じ高さ、同じ性能の遮音壁を設置するのであるなら設置する位置に十分気を付けたほうが良いのです。
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