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よくある質問(Q&A)
エアコン室外機の防音対策はどのよう考えるべきでしょうか?
防振パッドで振動を抑える
エアコン室外機が発する騒音の大半は、コンプレッサーやファンの振動が建物構造へ直接伝わり、床面や壁面を「共鳴板」のように揺らすことで増幅されます。したがって最初に取り組むべきは振動の吸収と絶縁です。当サイトで紹介しているゴム製の凸凹型防振パッドは、室外機底面と設置面の間に“緩衝層”を作り、振動エネルギーを熱へ変換して減衰させます。ホームセンター等のカット品でも効果は十分です。
防振パッド

- 設置のコツ:四隅のみならず、コンプレッサー直下や配管側の支点にもパッドを設置し、ガタつきを完全に解消してください。
- メンテナンス:紫外線でゴムが硬化すると性能が落ちるため、夏冬の点検時にパッドを押して弾力を確認し、3〜5年ごとの交換を推奨します。
構造的な遮音壁の設置
防振対策で振動を抑えたうえで、**遮音壁(スクリーン)**を設けるとさらなる騒音低減が期待できます。遮音材は質量が重いほど音の振幅を跳ね返す効果が大きいものの、屋外での長期使用には強度と耐候性も欠かせません。実務では1 ㎡あたり10 kgを超えるセメント系サンドイッチパネルや、高密度の石膏ボード複合パネルなどが用いられます。
- 構造強度:台風や突風でも浮き上がらないよう、アンカーボルトで建物に固定するか、L型鋼と補強ブレースで自立フレームを組みます。
- 長期耐久:外装にガルバリウム鋼板や屋外用断熱塗料を採用し、パネル端部はシーリング材で防水処理を施すと内部劣化を防げます。
- 安全性:万一の放火リスクに備え、不燃認定材料(国土交通大臣認定)を選定して火災時の延焼を抑制してください。
これらは専門業者でも設計・施工の手間が大きく、DIYの場合は人員・工具・安全管理を十分に確保することが必須条件となります。
形状・大きさのポイント
室外機は背面や側面から吸気し、前面または上面から排気して熱交換を行います。遮音壁を設ける際は、次の“三要件”を満たす設計が不可欠です。
- 排熱距離:メーカー仕様書に記載された“障害物との最小離隔距離”(300 mm〜600 mm程度)を確保しないと、熱交換効率が低下しオーバーヒートや故障の原因となります。
- 放射音角:騒音は球状に広がるため、上部も遮音しないと上空で反射し周囲へ降り注ぐ“逆打ち返し”が発生します。天板付き三面囲いが理想です。
- 開放方向:開口部が一方向だけだとメガホン効果で音圧が集中します。吸音材を併設しつつ、スリットやルーバーで音を拡散・減衰させる設計が望ましいでしょう。

吸音材の併用
遮音材が“音を跳ね返す”のに対し、吸音材は“音を取り込んで熱に変換する”役割を担います。ここで重要なのは水分による吸音材の吸音性能の低下を防ぐことです。多くの連続気泡材や繊維系吸音材は、水を吸うと空気層がふさがり吸音率が激減してしまいます。
- 素材選定:屋外用には不燃、耐候性を備えた不燃吸音材ポアルC1を推奨します。必ず仕様書を確認の上、ポアルC1の背面に空気層と遮音壁を設けてください。
ポアルC1の掲載ページ

当サイトからのお願い
「防音防振ネット!」では戸建住宅や小規模施設向けに簡便な資材をご紹介していますが、室外機の本格的な防音対策は安全性・耐久性・施工リスクの観点からどうしても大型で専門的な構造物を前提としたご提案になります。まずは振動抑制など小規模な対策を試し、さらなる低減が必要な場合は専門業者へのご相談を推奨いたします。
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