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音の回折(かいせつ)
回折とは、媒質中を伝わる波(または波動)に対し障害物が存在する時、波がその障害物の背後など、つまり一見すると幾何学的には到達できない領域に回り込んで伝わっていく現象のことを言う。(参照元:ウィキペディア)
つまり音の場合は、遮断するものに対して回り込み、その背後まで音が伝わる現象と解釈して頂いて良いと思います。
よく分かる例をイラストで紹介します。屋外で人に背を向けて話しても、背中側に居る人にも話し声は伝わります。また、メガホンの後ろにいてもメガホンの音は聞こえます。スピーカーの裏側でも音は確実に聞こえます。これらを音の回折(かいせつ)と呼びます。
光と異なり、音は目で見ることができません。経路が非常に分かりにくいのです。吸音壁を障害物として建てても、その裏側に音は回り込んでしまい届きます。
当サイトでも「騒音対策の落とし穴」「屋外での防音の方法」「音の回折と壁の高さが防音に優れる理由」などで、表現を変えて説明していますが、回折現象の対策は防音にとって非常に不可欠な問題です。
さらに表現をすると、音は回り込む!と考えるべきなのでしょう。グニャグニャ這う様な感じで捉えても良いのかもしれません。
防音を行う際には、まず初めに音源の正面に吸音材を貼ることで大きな効果を得られます。しかし、拡散的に音は進行し、障害物があると回折しますから予測した防音対策も必要です。セオリーとして大きな音がある方向から順に対策をしますが、壁を伸ばす、角度を内側に曲げることで騒音源を包み込む構造で対応することが重要となります。
話し声であるのなら、上記のイラストのような感じで音は回折します。当然背面はエネルギーが落ちます。しかし少ないと言っても侮れない音量ですので、注意が必要です。全周囲防音材で包み込む事ができれば良いのですが、簡単にはできないと思いますので、優先順位を立てて対策を考えることが必要です。
下記のページも参照してください。
屋外での防音の方法
音の回折と壁の高さが防音に優れる理由
騒音対策の落とし穴
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