遮音シートは、薄い1ミリ程度の物から10ミリ程度の物まで様々あります。防音には吸音と遮音を併せる方法が効果的ですが、今回は遮音シーのみで使用するケースで紹介します。
遮音シートの規格に、比重と言う表記がされています。比重と言うのは、水1000リットル(1000kg)に対して比較するものが同じ体積であった場合、どのくらいの重さであるかを比較したデータです。数学、物理的定義において比重は定義されていないようですので、試験機関や製造メーカーによって単位がある場合と、無い場合があります。
単位が無い場合は水と同じ体積で比べた場合の倍率になり、単位がある場合は1立米あたりの重さの表記が一般的です。(グラスウールの表記は、1立米あたりの重さが表記されています)
しかし、遮音の効果は面密度によって大きく性能差が出るといわれています。面密度とは、1平米あたりの質量を表す表記です。つまり、遮音する面積に多くの質量があれば遮音効果が出やすいと言うことになります。遮音シートの場合、厚みを増すことによって音響透過損失のデータが良くなっているように、「厚みを増す=面密度が上がる」公式が成り立つのです。
比重が大きいから性能が上がるのではなく、面密度が上がることで遮音効果が増すと考えることが賢明です。
面密度の計算方式は、比重*厚み=面密度 です。
また、遮音シートメーカーの製品には、制振効果が含まれるものもあります。実際の防音効果は、材質や施工方法、環境に大きく左右されることがありますので御注意下さい。
2018/07/31に面密度別の遮音シートの実験を行い、本当に計測した記事を以下のページに掲載していますので、ご確認ください。
蛇足になりますが、音の透過防止(防音)する際に吸音材を設置することで、エネルギーを減衰させることができます。そして、遮音シートの遮音効果を補助となりますので、吸音材コーナーもご参照ください。
遮音シートの騒音透過試験
遮音材の選び方
まとめとして、
遮音シートを選ぶ際、厚みだけでなく「面密度」が重要です。面密度は、遮音材の厚みと比重を掛け合わせた値で、遮音性能を表します。一般的に、面密度が高いほど遮音性能が高いと言えます。
遮音材は、安価でよく使われる樹脂・ゴム系などがあります。
要点
- 遮音シートを選ぶ際は、「面密度」を重視する
- 面密度の計算式は、比重×厚み
参考
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防音防振の豆知識